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職員室に荷物を運び終えると、僕と佐々木さんはバラバラに帰った。
まぁ当然の事だけどね。
「あ、そういえば……」
今日用事があったんだっけ?
個人的なのだけど。
少し歩くスピードをあげる。
学校から出て真っ直ぐ行ったところを、いつもなら右に曲がるが今日はそのまま真っ直ぐ歩いた。
実は学校を出て真っ直ぐ歩くと、僕が行き付けの本屋さんがある。
入荷が早くて品揃えが豊富なんだ。
読書好きな人にはもってこいの場所。
今日は僕の好きなシリーズ本の新刊が発売される日。
春とはいえ、まだまだ日が暮れるのは早い。
少し薄暗くなっていくのを感じながら、僕はさらに歩く速度を上げた。
――――。
「あ、あった!」
なんとかして日が暮れてしまう前に、本屋さんについた。
母さんには遅れると伝えてはいるが、やはり暗いのは怖い。
レジに本を持っていって、お金払う。
「ブックカバーお付けになりますか?」
「はい、お願いします」
ああ、早く帰って読みたいな。
店員さんがブックカバーをつけてくれている間、僕の頭のなかはお花畑だった。
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