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不覚にも顔が緩む。 「ん?あれ……?」 ふと外を覗いて見ると、見慣れた横顔が見えた。 「……佐々木さん……?」 「お待たせしました」 「あ、ありがとうございます!」 急いで、本とおつりを受けとる。 それと同時に駆け出す。 どこに行くんだろう? 「ささっ……」 店を出て、佐々木さんらしき人がいった方向を向く。 するとちょうど、角を曲がっているところが見えた。 カバンに本を詰めながら後を追いかける。 ほとんど無意識の行動だった。 もしかしたら、最近ハマってるシリーズ本の影響かもしれない。 あの本の主人公は、探偵でよく人を尾行するシーンがよくある。 あ、曲がった。 佐々木さんらしき人は、辺りをきょろきょろと見回しながらドンドンと人気のないところへと入っていく。 ちょっと待てよ? まずくないか? なんか……だんだん回りの空気が悪いというか……。 うん。 不良さんが増えてきているような……。
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