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引き換えそうかと思って、体の向きを変えたけどやっぱり佐々木さんが気になる。
いや、でも佐々木さんという可能性があるってだけで、佐々木さんとは……。
色々と考えを巡らせながら、右往左往する。
「おい」
「え?」
いきなり後ろから声をかけられて、間抜けな声が出てしまった……。
振り向くと、金髪やら赤髪、いろんな色のした髪の毛がいた。
うん、不良さんがいーっぱい。
「ガキが俺らの縄張り漁ろぅだぁいい度胸じゃねぇか、ア゙ァ!?」
「ひぃ!?す、すいません!」
「すいませんですんだら、警察なんか要らねぇんだよ!!」
うわぁぁぁあ!?
どうしよー!?
もう泣きたい……。
不良さんたちが……どんどん迫ってきて……。
「聞いてんのかゴルァ!?」
「はっはい!!」
「金出せば、許してやるよ」
「え?」
さっきまで怒った顔をしていたのに、笑顔で迫ってくる。
これはこれで怖い。
「だからぁ、金だせっつってんの」
そんなの無理だ……。
お金なんてさっき本買うのに使っちゃったし。
「いま……手持ちがなくって……」
いまの僕には、これを言うのが精一杯だった。
みるみるうちに不良さんたちの顔が、怒りに彩られていく。
さっきの笑顔が嘘のよう。
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