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「後藤、さん?」
何度も練習した台詞を言った、はずだった。
「チッ、まだナカマがイヤガったのか」
驚き恐怖する客。
慌てる警備員。
そんな光景を予想していたはずが、目の前に広がった世界は大分違ったものだった。
「助けに来てくれたのは、嬉しいですよ。でも、こいつには……最新式のレーザー銃さえ歯が立たないんです。仲間たちも皆やられてしまいました。もう、駄目かも知れません」
近未来的な服を着た女性は、疲れきった顔で苦笑いした。
「ふふふ。我々モギー族の皮膚は、あらゆるレーザー兵器の攻撃を反射するのだ。お前たちタイムパトロールがどれだけ攻撃してこようと無駄なのだよ。私はお前達を倒し、この過去世界から我々の住む時間へと紙幣や硬貨を持っていく。何せ数千年前の通貨。どれだけの価値が生まれるか、楽しみで仕方ないな」
紫色の肌をした男が、高笑いしながら言う。
何だか無性に腹が立つ奴だ。
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