回転体とピタゴラス

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  そんな彼の左手にはなぜか、ポッキー。 「ポッキー、食べる?」 はい、と言って差し出されたそれ。 廊下側の席のわたしにはちゃんと届くわけで。 「ありがとう、ございます」 一応敬語でお礼を言いつつ有り難くポッキーをいただいた。 ふわりと口に広がるそれはチョコ味。なんだ、フツー。 隣で同じくポッキーを食べる彼。食べるというより貪るという感じなのだけれど。 同級生なのか、先輩なのか、それとも後輩なのか。 それを示すスリッパの色はわたしの位置からは見えない。 「(2年にこんな人いなかったような…)」 見慣れぬ顔、ということは先輩か後輩ということなのだろう。  
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