プロローグ

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勇気という名前だけど、実際は全然、勇気を持っていない。文化部なため、肌も白い。足も遅い。自分でも悲しくなるくらい、典型的なひ弱な男の子だ。 「…なんだぞ。…ハァ。説教したら、疲れたじゃないか。おい、剣条。お前、平家物語、読んでみろ。」 …しまった… 当てられてしまった…。 でもさぁ、説教して疲れたなら、最初からしなきゃいいのにな。 ガタガタと古いイスを鳴らせて立ち上がる。
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