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◆乾いた窓◆
若木:こんなのイヤだな…
窓から外を見る若木。
――トン―
小鳥:あいたたた…
突然①羽の小鳥が窓に体当たり。
小鳥:なんだ?何も無いと思ったのに
…こんな側にこんなに綺麗な若木があるのに届かない
小鳥は透明な何かにコツコツとクチバシをなんどもあてる
若木:窓って言うんだ…
小鳥:誰?
か細い声…でも透き通る声。
若木:窓がずっと僕の夢を遠ざけてるんだ…君は―
雨を感じた事あるかい?
日の光を鮮明に浴びた事あるかい?
風に悩まされた事あるかい?
―僕はないんだ
小鳥は若木に気づいた。
小鳥:君って…そんな当たり前な事ないの?
この窓ってのがいけないの??
若木:うん窓がいけないの
小鳥は①ど飛びたってから再び窓に体当たり
小鳥:イヤだね、君を助けたいよ!
こうすればきっとこの窓なんて砕けるさ
小鳥は何度も②…窓に体当たり!
けれどついには…
窓際に落ちて動けなくなってしまった…
若木:どうしたの?大丈夫?
返事はない…
動けなくなった鳥によって刻まれた乾いた窓のキズ。
次の日、鳥に気づいた者は鳥を庭に埋めてやると若木を窓際に出して言った…
「この鳥は君に見とれてぶつかっちゃったんだね、可哀想な事したね」
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