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いつもよりも随分と早めの出発になった。 エントランスにはマサナオが居た。その隣には兄が居る。 何やら口論になっている様子だった。 「立ち聞きは良くないな、由宇紀」 立ち止まってこっそりと2人の様子を観察しているつもりの由宇紀に声を掛ける。 「だって、気になる」 そう由宇紀が言ったそばからマサナオが崩れ落ち、兄がそれを支えていた。 そして、こちらに気が付いた兄は自力で立てないであろうマサナオを抱きしめながら『やあ』、と声を掛けてきた。 「ホント、困った『息子』なんだ。 これから親として息子に教育的指導をするって訳さ、もちろん『長男』にご協力いただいてね?」 「その言い方は誤解を招きますよ、『父さん』」 表に出てきたヒカルが声を掛けてきて、由宇紀が驚いているのが判った。
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