陛下の長くて憂鬱な一日【完成版】

～２～

「あれ？灯り付いてる」

実家の前にやって来て、誰も居ない筈の家の灯りが付いている事に気が付いた訳で。

パパは『北アメリカブロックでの仕事のついでに発明家のコンベンションに出席する』と言っていたし、ママは『アフリカブロックの開発事業のプレゼンで現地に飛ぶ』って言っていたし、家には誰も居ない筈なんだけれどな？

気になって中の様子を『探る』事にする私。

実家のセキュリティシステムにちょっかいを出そうとしたら『拒否』されてしまった。

こんな事が出来る存在を私はただ一人しか知らない。

……フレイだ。
フレイが先回りして私の実家に行ったんだ。

「しまったぁ、『家出宣言』なんてしてくるんじゃなかったぁ」

と呟いたところで『アフターカーニバル』だよ、とほほ。