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「又『女心』を理解してない発言でもしたの?
『君は私のものだ』的な。
由宇紀ちゃんはそういうのが一番嫌いなの判ってる癖に」
「いや、断じてそのような事は言って無いぞ」
かなりむくれたフレイが(とは言ってもここ1年で感情がかなり面に出る様になったのは大進歩だ)私に文句を言った時だった。
勢いよく開かれたリビングのドア、そこに立っていたのはキャリーケースを引き摺っている由宇紀ちゃん。
「私、実家(さと)に帰らせていただきますからっ!」
豪い剣幕でそう言った由宇紀ちゃんはこれまた豪い勢いでドアを閉める。
ばたん!
ばたばたばたばたっ
玄関に向かって走り去る足音も塊になって落下していそうな勢いだ。
そして、玄関のドアも勢いよく閉められたのだった。
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