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「何となぁく解った。 白瀬君、意外と頑固者だから」 驚きつつも状況を把握しただろう由宇紀の発言に兄は気を良くしたようだった。 「ま、由宇ちゃんの時よりは簡単に終わるさ。 遅刻させる訳にもいかないしね」 そう言った兄はそのままマサナオの耳元で二言三言囁いてから解放する。 一瞬ふらついたマサナオだったがそのまま兄に身体を預けてから一言『父さん』と言った。 「僕は父さんの…、いや、だから父さんは何をしたの?」 首を振りながら自分の発言が思ったものと違う事に気が付いたマサナオは怪訝な顔で兄を見詰めている。 「もう9ヶ月経ったんだよマサナオ。 僕はずっと待っていたのに。 今のは明日の誕生日プレゼントって言うことにしておいて」 その言葉に何かを言おうとしたマサナオが言葉を飲み込んだ。
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