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「じゃあ何で『家出』とかするかなあんたの奥さんは」 「私に聞くな」 本格的に頭を抱えているフレイの落ち込み加減が半端無いから私はからかう事も出来ないでいる。 「話しなさいよ」 「帝都に戻るのを拒絶された。 私達の生誕祝賀会に夫婦揃って出席しなければならないと言うのに」 「ああ、そんな時期だったわね」 ルドゥープラジャンサームキァウスィー。 『現皇帝誕生祭』の日。 つまり、フレイ達の誕生日なのだが。 「よりによって祝賀会のある日に友人と出掛けて来ると由宇紀が言い出してそれを拒否したら」 「こうなった訳なのね」 フレイの事だ、どうせきちんとした理由を告げずにただ頭ごなしに拒否したのだろう。 「理由、言ったの?」 「ああ言ったさ。『とても大事な祝賀会だから出席拒否は出来ないぞ』ってな」
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