エリー誕生日小説

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エリーは自室のカレンダーを眺めた。 3月3日。自分が生まれた日。 折角の誕生日だというのに、エリーの心は暗く沈んでいた。 バレンタインからまだ一月もたっておらず、失恋の傷跡もまだ癒えていない。 きっと優しいあの人は、自分の誕生日に腕をふるって料理を作ってくれるだろう。 けれど、今の自分に、笑顔でお礼を言える程の余裕はないのだ。 今日の朝食でも、一言も話せず俯いてしまった。 今は会いたくないのが本心だ。 そして、エリーの心を乱す原因はもう一人。 突然想いを告げてきたバットにも、どう接すればいいか分からなかった。 必要最低限しか室の外に出ない自分を、あずまが心配してくれているのは知っているけれどどうしても二人に会うことを避けたかった。 「・・・部屋にこもりっきりもよくないよね。それに家の外なら会わなくてすむし。」 エリーは外出を決めると、上着を羽織って外に出た。
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