エリー誕生日小説

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まだ冷たい外気に少し縮こまりながら目的もなく町を歩く。 道では、両親とその子どもなのだろう女の子が仲良く手を繋いで歩いていた。 子どもが持っている袋から雛あられが覗いているのに、今日はひな祭りだったなと思い出す。 自分の育ったところでは存在しなかった習慣に、少しだけ羨ましい気もするけれど。 それよりも。 仲良く両親に挟まれて笑う女の子に、視線をそそぐ。 自分も両親とあんな風に、手を繋いでみたかった。
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