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「あれ、エリー?」
ふと自分の名前を呼ばれ、エリーは顔をあげた。
「佐ノ助?…どうしたの?」
目の前で立っていた男にエリーは驚いた。
あずまの知り合いで、現在は敵対する軍に所属しながらもふらりと家に遊びにやってくる変わった男。
そして、エリーの母を知っているという数少ない一人だった。
「ああ、誕生日くらい仕事休めって言われたんだけどさ、やることないからぶらぶらしてんの。」
苦笑する佐ノ助にエリーも笑う。
「そっか、私も今暇してたの。折角なら一緒に歩かない?」
エリーの誘いに佐ノ助は一瞬動揺したような素振りを見せたが、すぐに頷いた。
「ああ、そうだな。一緒にいた方が俺も安心。あまり一人で出歩かないでくれよ、危ないんだから。」
「ごめんごめん、気をつけるから。」
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