エリー誕生日小説

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エリーの母は、古くからの歴史を持つ家柄のお嬢様だったのだという。 舞姫というその人は、綺麗で聡明で優しい人で、誰からも好かれるような人だったと、母に仕えていたという佐ノ助が教えてくれた。 しかし、強欲な男に財産を狙われ暗殺されてしまった。 そうして見つかった遺書に、隠し子・・エリーのことが書かれていたのだ。   由緒ある家柄の舞姫が異国の者と付き合うことは許されなかった。 けれど、舞姫はひっそりと異国の人と逢瀬を重ね、子を授かった。 妊娠していることが親族に露呈することを避けるべく、舞姫は影武者を立て影でその子を産んだ。 家にこの子どものことがばれれば、この子はひどい扱いを受けるだろう。 しかし父となる男にその子を託そうとした矢先、男は交通事故で死んでしまった。 舞姫はやむを得ずその子を橋の下に置き去りにした。 どうか親切な方がこの子を養ってくれますように、と。
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