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あれ以来ブローチは大事にしまい込んで、身に着けてはいなかった。猫もオウムも、十六夜の争い以降、姿を現していなかった。
苦しいような仄かに甘いような気持ちが、私の胸を締め付ける。
私はもう一度、会いたいと望んでいるのだろうか。
乳白色の猫に、純白のオウムに?
帰宅したら久しぶりに、猫のブローチをドレスの胸元に飾ってみようと思う。
楕円を金に縁取られたブローチは、きっと夜半には温もりを帯びて。冷たい月から守るように、私を迎えてくれるだろう。
[了]
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