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長針が数字を刻むごとに、ちりちり首筋を覆い増していく不安。
ブローチの固い感触を指先でなぞり確かめると、私の手の温もりを吸って猫の横顔がぼんやり熱を帯びている。
細かく窓枠が揺れだす。かたかた、かたかた。不意に、部屋の明かりが消えた。
爆音で叩かれた窓が、開け放たれ。木枠の掛け金が弾け飛ぶ。
吹きすさぶ寒風。千切れた黒雲から、銀の十六夜月。白いオウムが静かに窓辺へ舞い降りた。
「さあ、僕と一緒に来るのです。お嬢さん。」
月に照らされたオウムは昼間よりも倍以上に、膨らんで見えた。
動かない私に苛立つオウムが、きりきりと口ばしをこすり音をたてる。
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