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しばらく窓の外を睨んでいたが、やがて猫は前足をペロペロと舐めて、顔をこすった。
「大丈夫ですか、お嬢さん。」
オウムと猫の争いに腰が抜けていた私は、安否の問いに必死に頷いた。
「それは良かった。では悪者を追い払った御礼を、ボクに下さい。」
身体が強張る。乳白色に輝く猫は、床にへたり込む私の膝に素早く飛び乗った。
「御礼に、あなたの口づけを。」
胸に右前足をかけて伸ばされた身体はしなやかに、私の顔面に触れる。
唇をくすぐる柔らかい毛並みは、ミルクの匂いがした。吐息も甘い味がする。
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