非日常で日常なプロローグ

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左腕への豊かな柔らかい膨らみと、右腕への微かだが、しっかりと柔らかい膨らみを感じながら、目を覚ます。 「ですよねー」 左右の美少女2人を見て、そう呟く。 毎日いるんだよな。 それも9年前から、毎日欠かさずずっと。 よく飽きないな。 まあ、いなかったらいなかったで寂しいんだけどさ…… いや決して邪な気持ちなどないのですよ。 断じて違う。 神に誓ってもいい、多分。 「シオン姉、ミリナ。朝だぜー」 二人を揺すり、起こそうとする。 「んみゅ……」 「にゅ……」 毎度のことだが、変な声を出し、絶対に起きない。 これも前からそうだ。 どっかの天然母がキスすれば起きると言ったので、小さい頃に実行してヤバくなったのは今でも鮮明に覚えている。 「雷の精霊、エレスよ。 我が声に応えるならば、汝の力、我に示せ。 『スパーク』」 小声で詠唱し、初級の雷呪文を発動。 空中に発生した微弱な電気をシオン姉とミリナに当てる。 「ひゃうっ」 「にょわっ」 似たような奇声を挙げ、飛び起き、ベッドから落ちる二人。 それと同時に両腕に当たっていた膨らみも消えた。 ぶっちゃけ無詠唱でも出せるけど、魔力くうからやめた。 「おはよう。シオン姉、ミリナ」 「おはよーございまーす」 「ハロハロー」 少し寝惚けながら、挨拶を返すミリナ。 シオン姉は完全に寝惚けている模様。 「ほれ、着替えして顔洗ってこい。 ミリナ。シオン姉連れてって」 「りょーかいでーす」 また寝出したシオン姉を引き摺り洗面台へ行くミリナ。 この間に俺は朝飯の準備だ。 昨日の残り物のカレーを温めるだけだが。 「リオくーん! おはようのキスー!」 「お姉ちゃん!? 兄さん! ならミリナも!」 目覚めたシオン姉が洗面所から、こっちへ一瞬で来て、ミリナも数秒遅れて到着。 そしてキスの所望。 「アホか」 一蹴。 いや、キスしねぇよ。 だって家族だぜ? うん、毎日やってるよな、これ。
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