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そして川辺の芝生を駆ける猫の親子を見かけた。
私はカバンを漁りながら土手を駆け下りる。
「はい、ご飯だよ」
そして家から持ってきたにぼしを猫たちの前に置く。
猫たちは可愛い声で鳴きながらにぼしに近づく。
一心不乱ににぼしを食べる子猫の顔を親猫が舐める。
その瞬間―猫たちの胸元あたりにふわっと華が咲いた。
猫たちの毛の色と同じ、山吹色の華。
これが、わたしの不思議。
私にはなぜか『愛』が見えた。
それは華のカタチをしていて、誰にでも、どの生き物にも存在していた。
道行く親子にも、手を繋ぐ恋人同士にも、餌を欲しがるひな鳥にも。
その人が抱く愛のカタチによって、華の色も様々だ。
例えば恋人同士には赤い華。
親子には黄色の華。
淡い片思いには、桃色の華。
世界は…綺麗なお花畑だ。
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