1章 華畑

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猫の親子を見送り、私は再び学校を目指す。 桜並木の坂道を登った先の丘。 そこに私の高校がある。 今日は高校2年生になる新学期。 新しい生活の始まりに、高揚感が高まる。 風に舞う桜吹雪がきれいで、私は思わず足を止めた。 そして一際強い風がたくさんの花びらを散らしたその向こうに、1人の男子生徒の横顔が見えた。 見ない顔だな。 それが一番最初に思った事。 でも次の瞬間から、私は彼から目が離せなくなった。 それは彼がとても端正な顔立ちをしていたからではない。 …彼には違和感があった。 「華が…ない?」 私は無意識に呟いた。 違和感の正体、彼には華が…愛がないのだ。
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