アゲハ、舞う

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「アゲハ、ごめんよ・・・。 お母さんもうすぐ したら元気になるからね。 ゴホッゴホッ」 母は苦しそうに咳をした。 「ううん。良いの。 私こそごめんね。 昨日薬買いに行ったん だけど、やっぱり お金が無いんじゃ ダメだったよ。 当たり前だよね。 物投げられちゃった。」 アゲハは笑いながら言った。 「物投げられたのかい? 痛かったね。辛かったね。 お母さんがこんなん だから・・・・ごめんね。」 母は泣きながら アゲハを抱きしめた。 「もーお母さんったら 泣かないでよ。 いつものことだから 大丈夫なの!!」 アゲハは母を ヨシヨシした。 「そうかい?」 母は少しニコリとした。 「そーなの!! それよりお父さん 遅いなー。なんか あったのかな? 心配だよ。」 「もうすぐ帰って 来るわよ。太志(タイシ)さん は強い人だから。」 「ふふふ♪お母さんは 相変わらずお父さん 大好きだね。」 アゲハはツンツンした。 「そうね。」 母は嬉しそうに笑った。
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