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儚い。儚くて消えそうな
真っ白な悪魔がそこにはいます。
彼女はいつも塀の上にいて、みんなをみています
でもひとは彼女に気づきません
彼女は真っ白だから。
本当なら全てが黒くなければいけません。心もすべて。
黒い彼女の癖のある長い髪は
いつも光を浴びて白く輝きます。
ただひとつ
彼女のなかで白くないのは
背中にあるその羽だけ。
背中の羽だけは
どんなに光をうけても
ずっと赤いまま。
彼女に気づく子どもはいつも聞きます
「真っ白なのにどうして羽だけが赤いの?」
彼女は笑って答えます
「これはね、かみさまが天使の羽とつけ間違えたんだよ」
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