『おかえりなさい』(復)

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水曜日 「……」 ギュッ… 『っ?!お、おかえりなさい』 思わず悲鳴をあげるところだった 今日はただいまも無く、それどころか物音さえさせずに帰ってきた先輩 好きな歌を口ずさみながらカレーをかき混ぜていた私はいきなり抱きしめられてびっくりした 「…ただいま」 微かに声が聞こえたかと思うと、先輩の唇が私のうなじに触れたのが分かった 『っ!…ゃ……』 私の口から漏れた誘うような声に恥ずかしくなった 固まった私の手から木ベラが取り上げられコンロの火もカチリと消されてしまう …ああ、辛いことがあったんだな 振り向いて私からキスする けど、あっという間にそれは深くなっていって私の方が耐えられなくなって先輩にもたれてしまう そんな私を先輩は片手でだっこして いつもは休息の場であるベッドに連れていった
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