1人が本棚に入れています
本棚に追加
「……さっきまで…どうやってあなたは私から形勢を逆転させたのかしら?」
「あぁ!?何言ってんだ!!?」
「…良いから答えてみて」
「…?…不意打ちだ…が…」
今度は少女が不気味に笑う
「そう…正解よ」
……そろそろかな
「あぁ?…どういうことだ?」
準備運動をしとおくか
「…ここまで言っても分からないとは…やっぱりあなたは馬鹿ね…」
行きますか……
「あぁ!!!!?」
走り始めると足音が周りに響く
「もう…勝利は見えたわ」
「……マジ…か……?」
飛び蹴りの姿勢の僕の方を急ぎふり向くA、だが、逃げる時間はもう無い
「ぶっ飛べぇぇぇぇ!!!!!」
Aの顔面に僕の右足がジャストミートする
「ふげぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」
蛙を潰したのような声がする
この飛び蹴りは三途の川への十分すぎるくらいの助走となる
Aは気を失い、飛んでいく
顔には大きく靴の跡ができている、これではさすがに意識を取り戻すのには時間がかかるはずだ
もう安心しても良いだろう
一方、僕は勢い余って転がり
最終
空を見上げる感じに寝転がる
「ふぅ…………………」
ため息を一つついてみる
「あら……そこで男って勝利の雄叫びってやつをあげるものじゃないの?」
そう言って寝転がっている僕に手を差し出して来る少女
「……残念だけど僕はそういうタイプの男じゃない」
差し出された手をつかみ
立ち上がりながら少し考える
勝利の雄叫びなんかより
こっちの方が僕に合っていると思い立ち上がってつぶやいてみる
「まったく………後悔だ」
最初のコメントを投稿しよう!