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~前日~
「お前ら早く明日の川参りの班を決めろよ~」
担任の山田が騒がしいクラスをまとめる
ホームルームでのわずかな時間は生徒達をワクワクさせる
「……班か…」
そんな中で僕は一人、ただ黒板を眺めている
続々と決まっていく班
男子は男子の班
女子は女子の班
みんな、班員の名前を書いているだけで楽しそうだ
そんな中で僕は、ぼぉーっとしている
理由は簡単、風花だ
風花の告白(殺人予告)から数日経った今
最初はクラスから少し線を引かれていた風花は何故か…
「同じ班にならない?風花ぁ」
クラスに馴染んでいた
明るい性格、かわいらしい容姿
それはクラスの線を乗り越えるのには十分だったらしい
楽しそうに風花達は話し続ける
「で、どうなの?風花ぁ?」
すこし申し訳なさそうな顔をする
「ごめん…私は桜くんと……」
「……やっぱり、桜とかぁ」
そして
今ではクラス、いや…学年で風花の告白が広まっていて
「…おい、桜…もう書いておくぞ」
クラスの男子が6班のところに『桜』『風花』と書く
僕にとって予想通りの結果だ
抵抗するのは無駄だと分かってても反論してみる
「男子と女子の一緒の班って良いのか?」
「いや………毎年あるらしいぞ。男子の余り、女子の余りで出来る班は」
山田が答える
「じゃあ………誰か班にいれてくれよ」
……しーん
空気が誰も班に入れてくれないことを答える
なるほど、足掻いても無駄というわけだ
「…というわけだ!!!桜っち!!!」
6班のところに『祐介』の名前が書かれる
「…ふーん……そういうことね……」
いつのまにか近くにいた風花が思いついたように声をあげる
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