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「…先生?」
先生の瞳が曇っていた。
暗い暗い影。
いつもの瀬野先生からは想像できないくらいに、その瞳は揺れていた。
「先生?」
私はもう一度、先生を呼ぶ。
「…あっ、ごめんね。少しボーッとしてた…」
そう言って笑う先生の笑顔は、どこかぎこちなかった。
私が不思議そうに先生を見ていると、先生が腕時計を確認して言った。
「そろそろ完全下校時刻だから、帰ろうか?」
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