第一章 幽霊の右手

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幽霊ってなんでしょうね。 そう切り出した相談者はかれこれ小一時間は幽霊に関した談義を1人で喋っている。 バヤは落ち着きなく身体を揺すり 正面に座る女性をチラチラ見やる。 「物の本で調べて見たらですね、死後に人の体から抜け出した魂やこの世に未練を残した霊だとか。」 べらべらと良く口の回る女性だ。 ん・・?舌か。 仮にも「あやかし相談」などという看板を揚げて・・・揚げさせられている立場だが 気の利いた返しなどあるわけでもなく閉口している。 全く本題に入る気配がない 寝起きに呼び出されて 頭がうまく働かないままじっとやりすごす。
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