2人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「あなたは…罪悪感とかないんですか!?こんな…人を殺すなんて!」
「んー…無いっ!(笑)これはあくまで「仕事」だからねぇ~♪むしろ誇りに思うくらいだお♪(^_^)vイェイイェイ♪」
「ほ、誇りにお…」
「あなたは!自分の仕事を誇りに思わないんですか!ヌン!」
菜月は何とも言えないポーズで
指を指す
「いや、思うけど…いや!人殺しですよ!?うん!駄目でしょ!」
「んー、まぁ分からなくないけどさぁ…んー…。」
菜月は少し考える
「…じゃあさ、あなたは…毎日流れてる交通事故のニュースとか人が亡くなっているのを見てさ…泣いたりする?本気で悲しむ?」
「っ…いや……それは…」
「見知らぬ他人が死んで何か思う?せいぜい「へー、あたしも事故気をつけよ」程度でしょ?結局他人なんてそんなもの…。そう考えると、一人くらい死んでも…ねぇ?問題ナッシング!」
菜月は嬉しそうに言う
「…」
「ゴメンね、もう殺すのは決まってるから。でもただ殺すわけじゃない。あなたを殺して、私はお金を受け取って、私は生きる。ただ馬鹿みたいに殺す馬鹿どもとは違うから。」
菜月は笑顔で言う
「あなただってさ、知らないうちに誰かを傷つけて、誰かを助けてるんだよ。…それと何も変わらない。私はそう思うの」
「………」
「…もう諦めたのかな?撃っていいかい?」
「ん~…少し待って」
「?…遺言でも?」
「あなたの言ってることはわかった、いや理解出来ないけどさっ…あたし…死ぬんだよね?」
「うん。」
「…あたしも、あたしなりの考え方がある。全てのものには報いがくる…あなたにも、いつかは報いが来るはず。これだけ言いたかったわ…。」
菜月は笑う
「ふふっ…嫌だなぁ、あなたを殺したくなくなっちゃうよ。この状況を冷静で居られる人なんてそうそういないよ?」
「…そう?」
「うん。…ゴメン、そろそろ撃つね。あんまり話してると撃ちにくくなる…。」
数秒の沈黙
そして
「…いいよ…撃って。」
「うん…サヨナラ。」
よく晴れた夜に
音は響いた
命を奪う音と
命の消える音が
最初のコメントを投稿しよう!