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話は少し遡る。
学校の帰り道、突然耳障りな金属音が響くと同時に、自分以外の全てが静止していた。
理解不能の事態。
凍り付いた世界の中、訳も分からずに、いつもの通学路を疾走していたところで、彼女と出会ったのだ。
初めは自分と同じだと思った。彼女も、この静止した世界に置き去りにされ、混乱しているのだと思った。
助けを、あるいは説明を求めようとした僕に突き付けられたのは、あまりにむなしい現実だった。
回りくどい表現をしているが、ようするに、彼女こそがこの状況を引き起こした張本人で、おまけにどういう訳か出合い頭に僕に発砲したのだ。
生まれてはじめて撃たれる、という経験をした僕に、とどめのように浴びせられたのが冒頭の台詞である。
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