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「…なっ」 「落ち着け。足は地面についているぞよ。…ここならよいかな、ザクスどの。座られよ」 「タオさま!!」 「サジ?ああすまぬなもうそんな時間になってしもうたか」 長身の男が駆け込んできた。「危険なところには近寄ってはいけません」 「すまぬすまぬ。だがかくまで危険だとはいまわかったのだ。この御仁のおかげでな」 「皆の支度が整ってもお戻りがないので、草場に向かってみたら馬を見まして、そうしたら。これほどの石材が頭から降ってきたら、タオさまといえども…」 「…さしづめ、お嬢様とじいやってとこかい?まあそう叱ってくれるなよ。いま俺はどうもこのお嬢ちゃんのおかげで命拾いしたところなんだ。ちくしょう足場に腐ったところがありやがった」 「ここの工事をされているかたですか?」 「サジ、こちらはザクスどのだ。…おおそうだ。このあとなにか用事はおありか?ひとりぶんぐらいならなんとでもなる。昼餉にご招待したいのだが」 サジは目をまるくした。タオの、春の国の初めてのお友達ということであろうか。                                                                      続く
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