零・ビフォーファイブ

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「らっしゃーせー!」  ガソリンスタンドの店員が全国で一斉にボイコットしたら、どうなるのだろう?  無駄に通りのいい声でバイトしながら、雪村はそんなしょうもない事を考えていた。  ストップする日本経済と、冷や汗を浮かべる上司の顔を思い浮かべいやらしい笑みを浮かべる。 「サボってんじゃねぇ!」  上司A。こんなとこの責任者やってるくらいで偉そうに罵声飛ばすなよと雪村は思う。ていうか死なないかな。  そんなタイミングで携帯のバイブレーションが鳴る。一回、二回、三回とズボン越しに伝わる振動に反応して携帯を出す。  新着メール一件。クリックして開く。案の定、期待した通りの内容のメールだった。罵声を飛ばす上司を見て笑う。唾飛ばすなよ汚いなぁ。 「すいません、バイトやめます」
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