零・ビフォーファイブ

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 ボイコット者が続く事を祈り、バイトをあっさり辞める。嘘、正直日本経済がどうとかなんだとか知らないし興味ない。  興味あるのは、ムカつく奴の嫌そうな顔と泣き顔ぐらい。あと好きな小説の続きも。  この街についてはほとんど知らない。いやむしろ知る必要が無かったのだと、幸村はしっくりくる理由を思いつき頷く。  どっかの誰かが自分の見えている範囲が世界だと言った。いや言ったかどうかは知らない。でもそうだと思う。  一会社員だった雪村には売上と業績のグラフだけが世界だったし、出世コースこそが未来にも思えた。  仕事が上手くいってれば、副次効果で他のことも上手くいくと思っていたから。  だから駅前のスタバなんて無縁だったし、そもそもこういうオサレ的な文化とはほとほと無縁だった。  もっぱら「牛丼大盛り!」とかの方が自分にはお似合いだ。
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