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諦めて席に戻るかと背中を向けたとき、凄まじい噴出音と共に煙草とは別の白煙が広がる。振り向くとそこには見慣れた赤い容器があった。
――消火器だ。
「そんなにモク吸いたけりゃ、これでも吸ってなおっさん。ヒャハハハハハ!」
圧巻である。しかしスッキリした。現行のストレッサー発生源であるところの男が、今は白い泡まみれだ。
ああ超スッキリした。最高にせいせいすると雪村はほくそ笑む。
しかし少々やりすぎ感はあるが。
――ちょっと可哀想かも。
まあさておきこの乱入してきた消火器を最高に間違った方法で使った(消火という最低限の目的は果たしてるから、あながち間違ってないのかもしれない。)人物は誰という事になる。
奇抜な髪、リアス式海岸か十五の不良のハートレベルでギザギザな歯。
パンクファッションと言うのだろうか?
服なんて仕事着のスーツと外出着が何着かあれば良いという雪村にはよくわからないが、目の前にいる彼女の全てが尖った印象を際立たせる。
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