プロローグ

2/2
前へ
/55ページ
次へ
 この街は面白い事に二種の社会が存在している。  驚くほど正反対の二種の社会は混ざり合う事なく、混在することなく独立して存在している。  それは良くも悪くも硬貨の裏表で、両方存在しなければ意味を成さない。  この街には大まかな区分で三種類の人間が居る。話の解るバカと、話の解らないバカ。それから解って会話を成立させないバカだ。  馬鹿しかいないのかと言えば、馬鹿しか居ない。頭が回るバカとそうじゃないバカというだけの話だ。  この街には裏表があると言ったが、どちらが表でどちらが裏かと言われれば、どちらも表だ。  強いてどちらが裏かと挙げるなら、それはアングラ感漂うあちらの社会という事になるのだろう。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加