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この街の裏と表、二社会を分かつのは薄い氷、ほんの薄氷一枚だ。
「表」の住人は「表」にしか居れないし、「裏」の住人は「裏」にしか居れない。
間違った奴はお似合いの世界へと引きずり込まれていく。割れた氷の裂け目から。
どちらが良いとか悪いとか上下は無い。左右も無い。あるのは薄氷一枚。
適材適所、この人が波のように寄せては返す町では、人が材木のように居場所を割り当てられる。
――今日もまた一人氷の向こう側へと落ちて、あるいは登っていく。
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