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「てめえら! この街の――無法の中のルールを知らねぇ連中が居る。恐らくそいつらは他所者だ。断言できる!」
「どこのどいつだぶっ殺せ!」
志木咲の声に呼応して小人達が大きくうねり、雄叫びをあげる。
「そいつらがばらまいた薬キメてハイになったガキが、俺らと同じガキが四人病院送りになって、二人死んでる」
「許せねえ!」
統率のとれた小人は、一つの巨人となる。
「俺らはガキだ! それもクソガキだ! ただ大人の指図は受けねえ! 俺らの国は俺らのやり方で守る! 警戒コースはそれぞれに配布した資料を読め。絶対に一人で行動するな! イカレ殺人鬼の野郎には絶対近づくんじゃねえぞ! 以上だ怪しい奴はぶちのめせ」
「ぶち殺す! ぶち殺す!」
この街の末端まで伸びる包囲網で恐らくは売人はすぐに捕まるだろうと志木咲はにらんでいた。
捕まらなかったとすれば、この街の人間が「かくまっている」という事になる。
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