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顔が引きつりそうになるのをなんとか堪(こら)え、
「はい。わかりました」
とだけ答えて、再び机に向かう。
課長の気配も、背後からあっという間に消える。
「槇課長~3番に○○の××さんよりお電話です。
あと、俺も誘ってくださいよー」
「おう、ありがとう。
分かった、お前も今度な」
「え、俺も、俺も~」
他の部下のおねだりに、陽気に応えながらエリート課長:槇は、自分のデスクに向かっていく。
いっそ僕じゃなくて、他の奴と行ってほしいんだけど…
落ち込んでいる理由は、絶対に言えない。
言いたくない。
「はぁー」
課長が気付かないくらい離れたところで、止めていた息を思いっきり吐き出す。
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