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ぽーんぽーんぽーん…ぽーんっ
12時を報せるのチャイムが鳴った途端、多くの社員が席を立って駆けだしていく。
「急げっ」
「今日こそA定!」
この会社には社食があり、味も価格も納得いくものだが、いかんせん席が少ない。
いつも場所取りの争奪戦になっている。
「私たちの席もよろしく~」
菅野が甘え声で男性社員に声をかけている。
さっき依頼したコピーは、まだ手元に来ていない。
60P×6部にどれくらい時間をかければいいんだよ、あの腰かけ女は!
彼女にとっては仕事を全うするよりも、将来の相手をゲットする方が大切なのだろう。
その証拠にか、僕が座ったまま彼女を睨みつけても、気にした風もなく去って行かれる。
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