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「は?」
さっきから間抜けな声しか出していない気がする。
「甲斐が、このプロジェクトについて話が聞きたいって、さ」
「はい?」
新規とはいえ、そんな大したプロジェクトではない。
課長の槇が携わっているレベルならば1億10億規模もあるが、
主任の僕レベルだとよくて数千万だ。
「なんで取締役が?」
「この間、一緒に飲んだ時に、
お前の発想が面白いって褒めたら
気になったらしい」
上司に自慢げにそう言われても、
「ちっ」
余計なことを、と舌打ちしか出てこない。
僕のあからさまな態度に、ちょっと見咎(みとが)められるが、気にしない。
「…桜木。
本気で嫌そうだな」
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