1.カンと天然は同居できる

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「は?」 さっきから間抜けな声しか出していない気がする。 「甲斐が、このプロジェクトについて話が聞きたいって、さ」 「はい?」 新規とはいえ、そんな大したプロジェクトではない。 課長の槇が携わっているレベルならば1億10億規模もあるが、 主任の僕レベルだとよくて数千万だ。 「なんで取締役が?」 「この間、一緒に飲んだ時に、 お前の発想が面白いって褒めたら 気になったらしい」 上司に自慢げにそう言われても、 「ちっ」 余計なことを、と舌打ちしか出てこない。 僕のあからさまな態度に、ちょっと見咎(みとが)められるが、気にしない。 「…桜木。 本気で嫌そうだな」
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