第一章 若き者たちの出会い

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「僕がどれだけ食べても、この体も払うのも僕だからいいでしょ?」 「だがその体はお前だけのものじゃなくて、仲間の運命も左右する大事な体だろうが!」 「晋作……」 気持ち悪い、稔麿と呼ばれた青年はそう呟くと抜刀しようとした。 え、待って、なんで抜刀!? と葉七は慌てだした。自然に心臓がグッと痛くなる。 「ああああのっ! お客様、ここはお店の中ですので止めてくださいっ!! マジで??」 恐怖のあまり、必要以上に大声を出してしまった。だがそのおかげで、稔麿は驚いて抜刀を止める。 「――どうしたっ!?」 葉七の大声に気づいたのか、大智が店の奥から顔を出してきた。とても心配していると、声で分かる。 「あっ、大智……っ」 ふと葉七は体の力が抜けた。しかし、誰かが私を受け止めてくれる。 「すみません、少年くん。ちょっと彼女を脅かしてしまっただけです」 支えてくれたのは、稔麿だった。彼の胸元にすっぽりとおさまっている。 (……あ) 稔麿から香る、甘い香り。 「それより、みたらし団子を四人前と餡蜜を二人前、わらび餅と抹茶饅頭二人前、あと桜餅を三人前よろしく」 「……は、はい、かしこまりました」 驚いた表情をしながら、大智は急いで注文された甘味を用意し始めた。 遅れたが、私はようやく我に戻った。 「ごめんな、嬢ちゃん。稔麿ってばすぐに刀を振る癖があんだよ」 「その原因はすべて晋作だ」
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