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壱
ジリジリと、蒸し暑い。
??「これでっと・・・どう?」
廃墟と化したビルの中に、男女が数名。独りが机の上に、「組長」と書かれた札を貼る。
??「いいと思わない?仁」
女の一人が、そう言った。歳は15・6といった所だ。身長は低く、腰までの髪をポニーテールにしていた。
仁と呼ばれた人物が、女に近づいた。10代後半程で、背は高く、整った顔立ちをしている。真ん中分けの髪を耳にかけると机をまじまじとみた。
仁「結構いい感じ♪飛にピッタリ」
飛「そう・・・これでやっと私達の居場所が出来たね」
仁「うん。きっとみんな喜ぶよ。これからの仲間も・・・ね」
飛「ありがとう。仁」
二人が笑いあうと、
??「こらーお二人さん。看板持つの手伝って」
遠くから、高めの男声が聞こえた。若く張りのある声だ。
??「そうそう!私だって男漁りに行きたいの我慢してるんだから」
同じ方向から、今度は女声が聞こえた。艶がある、やはり若い声だ。
二人は大きなソファを持って仁と飛のいる階に上がってきた。
女のほうは、ベリーショートで、背が160後半程の美人という言葉が似合うような、女性だ。
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