第二章

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ざわざわとした人ごみをかき分け、なんとか辿り着いた教室。 中に入ると、何人かが机にお弁当を広げていた。 時計を見ると、ちょうど12時半。 結局あの後たっぷり休んだ私とカナは、午後の授業から出ようということで学校に足を運んだのだった。 「あっ、悠じゃん!」 「お~、今日も2人で登校とは、仲がよろしいことで」 入ってすぐの席の子達に、軽く挨拶をかわして私とカナは自分の席についた。 私の席は、窓側から2番目の1番後ろ。 カナは、その左隣。 くじ引きで決めたにも関わらず、なんたる偶然かとカナと笑いあった。 まあ、あたしはいつでもカナのことが見れるこの席を気に入っているわけだけれど。 そして席についてするのはカナとの他愛もない世間話。 もう家で遅い朝ごはんを食べてきてしまった私達には、お昼休みの時間がとても暇だった。 この間のテストの結果どうだった、とか、もうすぐ夏休みだね、とか。 すごくどうでもいい話だけれども、カナとのお喋りはとても楽しくて、私は好きだった。 でも、だからだろうか。 私は油断して忘れていた。 今朝のことを。
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