終わった世界と始まった世界

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「待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!」 死の直前。 僕が死を覚悟し、恐怖で目をつむった時。 確かに聞こえた、声。 瞬間、僕は。 宙を浮いていた。 「は?」 なんだこれ。 服が木に引っ掛かった? そんなわけない。そもそもこの校舎の周りに木なんてない。 僕の背後、僕の死角でなにかが起きているらしい。 さらに僕の体は有ろうことか、重力という物理的法則を打ち破り、まるでビデオを逆再生するかのように上昇する。 なんだこれ。 ここに来て、神様が助けてくれたとでも言うのだろうか。 だとしたら、なにを今更、という感じだった。 そもそも"助ける"というのなら、おとなしく僕を死なせてくれ。 今更同情なんてするな。 とか、いろいろと考える事はあったがとりあえず物理学上ありえない事象が発生しているのは事実であり身をもってそのありえなさをリアルタイムで体験している僕は、無抵抗に校舎屋上まで巻き戻って来る。 目の前には飛び降りる前に見たこの町の風景と見事な青空が広がっていた。 その美しさが僕を嘲笑う。 「………」 意味がわからなかった。 意味がわからなかった。 意味がわからないが、僕は生きていた。 この口は確かに息をしてるし、この心臓は確かに鼓動を刻んでいる。 確かに僕は生きていた。
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