3人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから数日がたった。
私は今日もあの場所に来ていた。
まだルカリナとは再会していない。
あの時のルカリナが気になってしまい、
母様に『可笑しいぞ?』と笑われたのを思い出す。
「どうしたんだい?エルルカ。
最近様子が変じゃないか?」
「……………。呼びました?母様」
「……はぁ。
今日の仕事はこれで終わりにしよう」
「良いのですか?」
「…あぁ。
それでお前さんの様子が治るならね」
「っ―――。
ありがとうございます!母様。」
そう言うと私は無意識のうちにあの場所へと走っていたのです。
そんな私を見ていた者が居たとも知らずに
そして今。
「離して下さいっ!!!」
「嫌だね。お前は俺のモノになっ…
…ぐぁ……っ。」
ぞっとした私は男の弱い場所を思いっ切り蹴り上げると、逃げ出しました。
先程の押し問答のせいで、服には土がつき足が痛くなるほど無我夢中に走った私。
走っている最中に雨が降ってきて、
気付いた頃にはびしょ濡れ。
走り続けていると目の前に小さな小屋が見えたのです。
この時再び彼と再会するとは思ってもいませんでした。
最初のコメントを投稿しよう!