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そんな日がずっと続いていたある雨の日。 やはりいつも通り家に独りきりでいた俺は、窓から外を眺めていた。 いつ帰るかも分からない両親を待って。 叩きつける雨で、窓の向こうはほぼ見えない。 見えるのは窓に映し出された俺の顔だけ。 「俺がいなくなったら…父さんと母さんは心配してくれるかな」 今思えば馬鹿馬鹿しいが、当時親に少しでも振り向いて欲しかった俺は初めて家出をした。 いつ気付かれるか分からないのに、「大丈夫か?心配したぞ!」って親が迎えに来てくれることを願って雨の夜へと飛び出した。
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