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「鬼無里~キナサ~さ~ん」
あいつがまた追っかけてくる。
「鬼無里さ~ん?また無視ですか。酷いです」
「酷くない」
「走って追いかけてくる女の子無視するのは酷いことです」
こいつも丸くなったというか、明るく振舞ってるなぁ…と思う。“あの日”……あいつに言わせたら『悪夢の終日』あの日から2年ほどの今日のこの頃。
そんな事を――。『悪夢の終日』からのことをお聞き願おう。話すのは俺ではないが、俺も出てくるであろうその話を。残酷で面白おかしいお話。そうなるのを願って――。
「どうしたんです?鬼無里さん」
整った顔が俺を覗き込む。ここで「考え事だ」なんて言うやつはいないだろう。
「なんでもない。行くぞ」
「はいっ」
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