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大好きなお母さん、お父さん。
大嫌いなオカアサン、オトウサン。
嫌い。嫌い。嫌い。大っ嫌い。大っ嫌い。もう嫌だ。イヤ。苦しい。苦しい。
だから―――。
真紅。私の好きな色。とっても綺麗。汚い人間も奇麗な人間も中身はこんなに綺麗で素敵。
「ふふっ」
ベチャベチャと手から床に落ちて跳ねる。
部屋には2つのモノと1人の少女が有った。普通それは家族なのだろうが、ここでは家族だったものだ。更に言えば少女自身は家族なんて思っていないのだけれど。
「ふふふっ…あははははっ」
いきなり笑い出す少女。狂ったように―――。
「あはははははははははっっ」
戸籍上には親の、体が目の前に転がっているっていうのに笑っている私。いつからこんなふうになっちゃったんだろう。でも今の私にあるのは、歓喜と安心感だけだ。
そんな余韻に浸っていた私の耳に<ピンポーン>とインターホンの音が入ってくる。後先考えず、常識というか習慣でなんと言うか分からないが、顔が見えるアレの前に立つ。
「どなた様ですか?」
「え…と澪理~ミオリ~さんいらっしゃいますか」
答えになってない…だが呼ばれたので行ってみる。
「私です。今行きますね」廊下を歩き、玄関へ向かう。
<ガチャリ>
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