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そこにはテレビの中にでもいそうな美形が立っていた――。
「初めまして。迎えに来ました。澪理さん」
「えっと、どなたですか」
執事さんなんて家では雇ってはいないのだけれど。そしてこの血の付いた服を見ても動じていないところを見ると常人ではなさそうだ。
「俺は鬼無里翔~キナサ ショウ~と言います。あなたは、このままではこの世間では生きていけない。だから俺と一緒に来て下さい」
「……なんでですか」
いきなり現れて何を言っちゃってるんだこの人は。
「君には願いがあるだろう」
えぇっと……いきなりの突然ですね、ビックリですよ。それでも、あるにはありますが。それを叶えてくれる人はもうこの世にはいない……。
「きっと叶えられない夢ならあります」
「それを俺らが叶える。だから一緒に行こう」
“俺ら”…?まぁ、それは無理だ。この状況だし、この思いはきっと叶わないと諦めている。私は1人なのだから。
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